「このまま証券会社に勤めていて、給料面は大丈夫かな?」
こんな思いを抱えている証券会社の社員の方もいらっしゃるかと思います。
これからの給料面について考える上では、これから証券会社にずっと勤めていくにせよ、転職するにせよ、「役職定年制度」について把握しておいた方が良いでしょう。
「役職定年制度」とは退職間近の55歳~59歳頃になると支店長や課長などの役職から外される制度のことです。
役職がなくなる=年収ダウンとなる場合が多いため、例え支店長になったとしても「あがり」では決してありません。
そこで今回は役職定年制度や役職定年制度による年収ダウンに対する対策などを解説していきます。
役職定年制度とは
ここでは冒頭に少し触れましたが、役職定年制度について解説していきます。
役職定年制度は一定年齢以上で管理職から外されてしまう制度
冒頭に触れた通り、「役職定年制度」とは支店長や課長など管理職に就いている従業員が、退職前の55歳~59歳頃に達すると、管理職から外される制度のこと。
役職定年を実施する年齢は企業により異なりますが、55歳から適用するケースが多いようです。
あくまで「役職」の定年であるため、役職定年後は専門職や一般職として業務は引き続き行います。
組織の若返りという点で企業にとってはメリットがありますが、役職定年される側の従業員としては、管理職としての手当もなくなり年収がダウンしてしまうため、必ず人生プランの中で計算に入れておかなければいけない制度となります。
役職定年後はどれくらい年収ダウンする?
さて、前章では、役職定年が適用されると、管理職としての手当などが減り年収がダウンしてしまうとお伝えしました。それでは具体的にどれくらい年収はダウンしてしまうのでしょうか?
9割の人は半分以下
2018年7月に発行された公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団の報告書によると、役職定年により、全体の9割以上の人が年収減となり、年収水準は50%~75%が3割強、また全体の約4割の人が年収50%未満だそうです。
退職前の5年間に年収が半分以下になってしまう人も少なくなく、厳しい現実が待ち受けています。
支店長になったとしても・・・
このように役職定年制度があるため、出世競争の狭き門を突破して支店長になったとしても、55歳で役職定年の適用となった場合には、60歳までの5年間は大幅な年収ダウンを覚悟しておいた方が良いでしょう。
つまり、役職定年制度があるため支店長になれたからといって将来安泰とは言えないのです。
そのため、役職定年による年収ダウンをあらかじめ頭に入れておきながら、今から人生プランを練ることが大切です。
役職定年後の年収ダウンへの4つ対策
さて、前章では役職定年となった場合年収が大幅にダウンする旨をお伝えしました。
例え出世したとしても役職定年がある以上、今からできる限りの対策はとっておきたいところ。そこで今回は役職定年に伴う年収ダウンへの4つの対策を紹介していきます。
他業種・他企業へ転職
対策の1つとして、より年収アップが期待できる他の業種・他の企業への転職が挙げられます。
他の業種であっても、役職定年制度を設けている企業がほとんどかと思います。
しかし、証券会社に定年まで勤めた場合の生涯年収よりも、高い生涯年収を得られる他の業種の企業へ転職することで、証券会社での役職定年による年収ダウンへの対策とすることが可能です。
実際、証券会社よりも高い年収を得られる業種・企業はたくさんあります。
また証券会社での勤務経験や実績は転職市場でも高評価を得られば場合が多く、年収交渉も可能ですので、もし今の会社に大きなこだわりがない人は、年収アップを目的に転職を検討しても良いでしょう。
IFAとして独立
証券会社で優秀な実績を積み上げられている人は、IFAとして独立するのも対策の1つです。
IFAは定年がなく、実績を出した分だけ収入が上がるため、売り上げをどんどん上げて収入を増やしたい人にとっては、うってつけの職業です。
優秀な知識と営業手腕を持っている人であれば、会社の意向に関係なく顧客のためになる商品を売ることができるので、証券会社時代よりも顧客との信頼が深まり、収入アップを目指すことが可能です。
ちなみに証券会社出身者がIFAとして独立する場合は、仕事内容・顧客が変わらないため、事前に収入を具体的に予想することも可能です。
なお、IFAの報酬や独立手順については、こちらのページが参考になります。
IFAPLUSで独立準備をスタートまずは自分で準備してみる方IFAになるには、金融商品仲介業者に所属しなければなりません。提示される契約形態や条件はさまざまですが、まずは報酬率の相場や流れについて把握しておきましょう。[si[…]
資産運用をする
役職定年後の年収ダウン分を補うため、今から資産運用をコツコツしても良いでしょう。
証券会社に勤めている中で「これは良い商品だ」と思える商品もあったはずです。
証券会社での経験を活かして、コツコツ資産運用をして、資産を増やしていっても良いかもしれません。
定年後も働く
定年後も働くことによって、役職定年による年収ダウンを補うのも1つの対策でしょう。
ただ、「定年してまでも働きたくない!」という人は多いかと思います。
そのような人は、先に挙げた①他業種・他企業への転職②IFAとして独立③資産運用をするなどの対策を真剣に考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は証券会社の役職定年制度と役職定年による年収ダウンの対策についてまとめてきました。
出世競争に勝ち、狭き門である支店長になったとしても55歳頃から役職定年による年収ダウンしてしまう可能性があります。
今からでも十分年収ダウンへの対策は取れますので、まずはどんな対策が自分に合うのか、考えることから始めてみてはいかがでしょうか。