証券会社を退職する際によくある話として、引き止められたり、上司に取り合ってもらえなかったりするケースが挙げられます。
また、証券会社の支店で働いているセールスは、人事部との接点が全くないことも珍しくないために、そもそも退職方法がわからない。といった悩みもあるかと思います。
「すぐに退職したい」あるいは「上司が退職届を受け取ってくれない」といった場合、どのような方法で退職すれば、円満退職する事ができるのでしょうか。
証券会社での退職手続き
一般的には、上司に退職の意思を伝える事から始まりますが、特に大手証券会社では手続き方法が異なる場合があります。
社内ポータルで退職方法を確認できる?
大手証券会社では通常、社員専用のポータルがあり、そこで様々な書類をダウンロードしたり申請をしたりする事が出来ます。
退職手続きの進め方について、具体的に知らされている場合もありますので、まず上司に報告する前に確認してみるとスムーズ出来るかも知れません。
就業規則を見ておく
原則として退職日から2週間前までに通知すれば良い事になっていますが、証券会社では就業規則などで1ヶ月前までに通知するように決められている場合が多いです。
証券会社を円満退社をしたい方は、事前に就業規則などを確認しておき、それに従って退職手続きを進める方が良く、円満に退社するコツです。
退職の理由はどう説明すべき?
証券会社では、IFAや同業他社への転職が多いために、退職理由についてはよく確認される可能性が高いです。
退職理由は個人的な理由を伝える
退職する理由として、証券会社の将来性や業界の成長可能性などを理由にすると、上司からは色々な改善案が提案される場合があります。
退職する意思が固く決まっている場合、不毛なやり取りが増えてしまう原因になる可能性が高いため、退職理由があくまで自分自身にある事を伝える事が円満退社のコツです。
給与や仕事内容について不満を漏らすと「次の査定までとりあえず待ってほしい」「本社に行けるように交渉してるから」等と言われ、退職日をひたすら先にずらされる可能性が高いです。
退職日の希望を必ず伝える
次の転職先の入社日が決まっている場合や、賞与(ボーナス)を受け取ってすぐに退職したい場合など、明確に退職のタイミングが決まっている時には、それもあらかじめ伝えておきます。
特に証券会社では、営業成績が優秀な社員ほど、強く引き止められるのが通常であるため、会社の都合で退職日を遅らせられないように注意した方がいいでしょう。
同業他者に転職(独立)する際の注意点
証券会社を退職して他の金融機関へ転職する、あるいはIFAとして独立する場合などは、退職理由をそのまま伝えない方が良いケースもあります。
退職理由を正直に伝えない
多くの証券会社では、入社時に誓約書や就業規則などで「競業避止義務」を課しています。
退職理由をそのまま伝えることで、証券会社と契約トラブルになる可能性が高く、係争に発展してしまうケースもあります。
また、本来は会社が退職を拒むことは許されることではなく、退職は労働者の当然の権利として認められています。
そのため、証券会社を退職して同業他社へ転職する場合には、退職理由を上司や会社に伝えて納得してもらう必要はなく、「一身上の都合」とだけ伝えれば十分です。
顧客の引き抜きが伴うケース
証券会社から、自身が担当する顧客を引き抜いて他の金融機関へ転職する場合や、IFAとして独立する場合にはさらに注意が必要です。
顧客への勧誘の方法や時期によっては、重大な法律違反となってしまうこともあり、実際に刑事事件になったケースもあります。
顧客引き抜きのリスクについては、こちらの関連記事が参考になります。
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証券外務員の登録関連に注意
証券会社では、証券外務員の登録をした上で、営業活動や関連業務に従事します。
証券外務員は1社でしか登録が出来ない事になっており、重複での登録は出来ません。
退職と同時に外務員登録を解除して、解除が確認出来てから転職先で外務員登録をするという手続きをするため、証券外務員としての営業活動が出来ない、いわゆる“空白の期間”が2〜3週間生じます。
まとめ
証券会社は社員数が多く、離職率も高い業種であるために、ほとんどの証券会社では退職手続きの方法について、就業規則や社内ポータルで明示されています。
円満に退社するには、なるべく上司や担当者に引き止める口実を与えることなく、決められた手続き方法に従って粛々と進める事が大切です。
同業他社に転職する、あるいはIFAとして独立する場合には、相手が悟っていると感じたときでも、あくまで”一身上の都合(プライベートな理由)”としておくことが重要です。