IFAの自己売買のルールについて、証券会社の社員との違い等を解説

証券会社に入社し、営業や投資銀行等の仕事をする大きなメリットとして、「相場感が付いて、あらゆる投資に詳しくなる」事が挙げられます。

転職市場では、そういった証券業界特有の強みを活かして、他の業界にキャリアアップしていくケースも多々あります。

一方で、証券会社の社員が好き勝手に株取引や投資をしても良いか、というと話が別です。

最近では、証券会社の社員からIFAに転職するケースが目立つようになっていますが、具体的にどのようにルールが変わるのか。

この記事では、証券会社の社員やIFAの自己売買について解説していきます。

自己売買のルールについて

証券会社の社員の自己売買は、自主規制によって厳しく制限されています。

地場受け・地場出し(2017年廃止)

日本証券業協会における規制で、証券会社の社員における自己売買を規制するもので、勤め先以外の証券会社に株式などの発注をする事を規制するものです。

一見まともに思える規制ですが、近年の取引手数料のデフレ化を踏まえると、例えば対面の大手証券会社に勤める社員が手数料が安いネット証券で注文出来ないのは不公平といった意見もあります。

また、不正を目的としてこの規制に違反する事例も極端に少ない事から2017年に廃止となりました。

証券会社の社内規定

ルールの位置付けとして、「金融商品取引法→日本証券業協会の規制→社内規制」の順番で、徐々に厳しくなっていきます。

そのため、日本証券業協会による規制は外れたものの、そもそも社員の売買を大きく制限している証券会社はまだまだ多く、事実上取引が出来ないようになっているケースが多いです。

「口座開設はOKだけど、取引は全てNG」とか「個人向け国債だけ取引OK」など、自分で取引出来る範囲が証券会社の社内規定よって異なります。

証券会社の社員の自己売買を規制する理由

証券会社の社員やIFAの自己売買を規制するには、様々なリスクを回避しなければならない背景があるためです。

フロントランニングの防止

【フロントランニング】
金融商品取引業者またはその役職員が、顧客から有価証券の売買の委託等を受けた場合、その売買を成立させる前に、自己の計算において同一銘柄の売買を成立させることを目的として、顧客の注文より有利な価格(同一価格を含む)で有価証券の売買を行うことをいい、金融商品取引法で禁止されています。
引用:東京証券取引所

専門用語が多く少しわかりにくいので簡単に説明すると、

顧客がこれから買う銘柄を、発注前にあらかじめ自分で買っておいたりする事は禁止ということです。

証券会社からすれば、膨大な顧客の発注がある中で、偶然にもフロントランニングになってしまう可能性もあるため、なるべく社員の取引について制限しておきたいという事です。

顧客と損益を共にすることの禁止

そのままの意味ですが、例えば顧客に対して「僕も買うから買いましょう!」といったような勧誘を禁止するルールです。

多くの証券会社では、社員と顧客の電話は録音されていますので、そういった勧誘をする事は基本的にはありません。

しかし、そもそも最初から社員に取引をさせなければ、そういった勧誘のリスクがなくなるため、取引を事実上禁止している証券会社もあります。

インサイダー取引の防止

証券会社の社員は、一般の個人投資家よりもインサイダー情報に触れる機会が多く、思わぬところから自然に耳に入ってきてしまう事もあります。

インサイダー取引が発覚すると当事者が罰せられるのはもちろん、証券会社の管理体制も厳しく問われます。

IFAの自己売買について

IFAも証券会社の社員と近いルールになっていますが、若干事情が異なっています。

IFA用の特別ルールや規制はない

雇用されていないIFAだからといって、自由に株取引しても良いとはなりません。

基本的には、IFAも証券会社の社員と同じように、金融商品取引法や日本証券業協会の規制の対象となります。

ただし、社内規制が大手金融機関のように厳しくないケースが多く、どの程度まで取引が許されるかについては、登録する証券会社や金融商品仲介業者によって異なるようです。

投機的取引・FXなどはNG

IFAの一般的な株式や債券、投資信託などの取引については、大手金融機関のような厳しすぎる制限はなさそうですが、投機的取引は全て禁止されています。

投機的取引とは、先物オプションなどのデリバティブやFXなどの取引を指します。

しかし、レバレッジがかかっているETFを短期間に高速売買する等のハイリスク・ハイリターンな取引については、後々指摘されてしまう場合があるかもしれません。

何れにしても常識的な範囲内で考え、なるべく長期投資を前提として、顧客と銘柄が重複しないように気をつけることが重要です。

まとめ

証券会社では、コンプライアンスを管理する社員が多くルールが整備されているために、そういった社員の違反行為を未然に防ぎやすい環境です。

IFAは規制が少ない分、自分でルールを確認して遵守する必要がありますので、特に自己売買については取引する前に承諾や確認を取ってから発注するという手順を踏むことがトラブル回避に繋がります。

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