いま話題のダブルワーク、証券会社でも副業って出来るの?

昨今の終身雇用制度の終焉に伴って、これまで禁止されていた副業やリモートワークを解禁する会社が徐々に増えてきています。

働き方改革が浸透する中で、IT業界を中心に副業OKの会社が増えていますが、その他の業種でもそういった動きが見られるようになりました。

他業種に比べて堅い印象が強い金融業界ですが、証券会社においても副業は出来るのでしょうか?

この記事では、証券会社の社員の副業について解説していきます。

副業解禁の原点「働き方改革」について

働き方改革とは、これまで当たり前と考えられて来た、長時間労働や雇用形態による待遇の区別等を撤廃し、日本の労働環境を大きく見直そうとする取り組みです。

労働人口の減少に対応

日本における人口減に伴って、今後の労働人口も合わせて減少していく事になります。

これにより将来的には、多くの会社で人手不足に陥る可能性が高く、限られた人数でこれまで通りかそれ以上のパフォーマンスが要求される事になります。

会社としては、これまで社員が行なっていた業務の一部を、フリーランス等に外注することで補う必要が出て来ます。

反対に、これまで年齢や様々な理由で会社員として働く事が出来なかった人が、自宅で仕事を受注して生計が立てやすくなると考えられています。

非正規・正規雇用の待遇差を解消

多くの会社で、正社員とそうでない派遣社員やアルバイトとの間で、仕事内容は同じにも関わらず待遇が大きく異なるというケースがあります。

日本においてはこれまで、新卒のチャンスを逃すと正社員として雇用されるハードルが極めて高くなり、非正規雇用で働かざるを得ない人も多くいます。

働き方改革には、同じ仕事をしているのに待遇だけが正社員より劣るような不公平な状態を解消し、いわゆる「同一労働同一賃金」を推進する事で、労働生産性を向上させようとする背景もあります。

副業解禁の背景・理由は?

様々な会社において、以前まで一般的だった終身雇用制度が廃止されており、従来の働き方の見直しを迫られており、結果として副業が解禁されることとなっています。

終身雇用制度の崩壊

以前の日本では、新卒で入社した会社にずっと勤め続け、定年退職まで働くいわゆる「終身雇用制度」が一般的でした。

ここ最近における、自動化・AIブームの浸透によって、これまで人が行わなければなかった仕事が機械(コンピュータ)によって出来るようになってきました。

この流れが加速すれば、会社において更に人手が余ることが予想されるため、業績が良いにも関わらず早期希望退職者を募集したり、リストラを敢行する会社が増えています。

副業解禁が一般的に

これまでは本業の妨げになるとされ、基本的には業種に関わらずNGだった副業ですが、徐々に副業を容認する会社が増えています。

これは、長く勤めていれば給与が上がっていく年功賃金が維持できなくなったことが背景と考えることができます。

そのため、これまで多くの会社が原則禁止としていた副業を、給与を上げることが出来ないために仕方なく解禁したという解釈するとしっくり来ます。

副業OKの証券会社とは?

副業解禁を公表している証券会社もしくは、今後副業の解禁を予定している証券会社をピックアップして紹介していきます。

みずほ証券

みずほフィナンシャルグループは、比較的早い段階で副業解禁の方針を発表しており、堅いイメージであっただけに業界内では話題となりました。

みずほフィナンシャルグループ(FG)の坂井辰史社長(59)が3日までに共同通信のインタビューに応じ、2019年度内に人事制度を改定し、希望した社員の副業や兼業を認める考えを示した。

ベンチャー企業やメーカーで働く経験を生かし、みずほFG内で新しいビジネスを創出できる人材を育成する狙い。

現在は副業や兼業は禁止しているが、守秘義務や会社の承認などのルールを整備した上で容認する

坂井氏は「全員がスペシャリストになれるよう、多様な挑戦機会をベースに、自分を磨いてほしい」と述べた。

既に実験的に大手メーカーに週1回、出向している社員がいると明らかにした。

引用:Yahooニュース 2019/6/4(火) 0:02配信 共同通信

ただし、ここに記載されているように「関連会社への出向=副業」という認識のようで、みずほFGでの副業は一般的な副業とはかなりかけ離れている事がわかります。

SMBC日興証券

SMBC日興証券では、2019年末に副業解禁や週休4日制について計画を発表し、2020年春以降にも導入する予定としました。

SMBC日興証券の清水喜彦社長は16日までに、産経新聞のインタビューに応じ、週休4日制を来春に導入する計画を明らかにした。大手金融機関では先行的な取り組みとみられる。副業の解禁も検討している。従業員の柔軟な働き方を促し、優秀な人材の囲い込みやイノベーションの創出につなげる。

週休4日制の対象は管理職を除く40歳以上の正社員と契約社員。40~50代の利用目的は介護に限定する。給料は通常勤務の6割に引き下げる。木曜から3泊4日で帰省し、木曜と金曜は通院、土曜は買い物やお墓参りに付き添うといった過ごし方が想定される。

また、入社4年目以降の正社員と契約社員には、副業を解禁する。英会話教室の運営や翻訳業など、他社による雇用が発生しない形での副業を認める。大学院進学やNPOでの活動を目的とした最長3年間の休暇制度も設ける。

一方、個人営業部門は、生前贈与や遺産整理など相続関連コンサルティングを強化する。現在35人いる専門スタッフを来年度中に200人に増やし、全店に配置する計画。清水社長は「お客さまのニーズの変化に合わせて成長し続ける」と強調した。

引用:産経ニュース2019.12.17 00:48配信

ただし、英会話教室の運営や翻訳業となり、英語の能力が高い社員のみが対象となる事から、証券会社の一般の社員までに浸透するかは疑問です。

また、週休4日制については介護利用に限定されるため、副業という訳ではなく、家族の事情により本来仕方なく退社せざるを得ない人材の流出を防ぐ意味合いが強いです。

ネット証券大手

働き方について、大手証券会社より柔軟なイメージのあるネット証券ですが、auカブコム証券(旧:カブドットコム証券)が業界初の副業解禁を2018年に発表しています。

ネット証券は、大手証券会社よりも多様な働き方を容認しやすい環境なため、優秀な人材を確保する事を目的として、副業解禁に動く可能性が高いです。

副業の内容は制限される

証券会社や銀行等の金融機関に勤めている以上、副業解禁と言っても、本業と利益相反が生じないように副業の内容について制限される可能性が高いです。

許可されない副業

本業との利益相反を防ぐために、営業員が別商品の営業を副業とすることは基本的にはNGとなる可能性が高いです。

例えば、証券会社が営業員に対して、不動産営業や保険営業を副業として許可した場合、証券会社の自分の顧客に対して営業をしてしまうケースが考えられます。

この場合、本業の証券会社の利益を落とすことに繋がりますので、営業系の副業については制限をかけることが予想されます。

やっても良い副業

証券会社の仕事には全く関係ない、営業とは全く異なる仕事に関しては、徐々に副業が許可されていくと考えられます。

例えば、デザインや翻訳のような、ランサーズやクラウドワークスなどで受注出来そうな仕事は、将来的には許可されるでしょう。

しばらくの間は、副業する会社を取引先や関連会社等だけに限定してリスクを限定する形で、試験的に副業を解禁するという事になりそうです。

まとめ

副業解禁と一口で言っても、勤めている会社によって業種や年齢、利用目的が一部限定され得る事がわかりました。

また、他業種よりもコンプライアンスが厳しい証券会社においては、かなり導入から営業員等の一般の社員に浸透するまで時間がかかりそうです。

証券会社をはじめ金融業界で働く人が、労働環境を変えるためには、会社のルールが変わってくれる事を期待するだけでなく、転職や独立も視野に入れて考える必要がありそうです。

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