証券会社のリテール営業に将来性がないと言われる4つの理由

証券会社のリテール営業には「将来性がない」と、ここ数年でよく言われるようになりました。

現時点で他業界と比較して多くの給料を受け取っているはずの証券会社のリテール営業ですが、将来性がないと言われる理由には主に4つあります。

  • 足で稼ぐ古いビジネスモデルだから
  • 高齢者の顧客に依存しているから
  • 顧客の利益にならない商品を販売しているから
  • フロー収益に依存した収益体制だから

具体的に証券会社のリテール営業はどんな仕事をして、なぜ将来性がないと言われるのか詳しく解説していきます。

足で稼ぐビジネスだから

証券会社の営業マンと聞くと華麗なイメージがありますが、実際にはかなり泥臭く古い営業スタイルが基本になります。

この営業スタイルが時代遅れになっていると言われています。

証券会社のリテール営業の実態を見てみましょう。

100件訪問して1件取れるどうか

営業に出て間も無くの営業マンの担当は新規開拓がメインになります。

新規開拓と言っても、営業マンごとに割り当てあてられた「〇〇町○町目」などのエリアを1軒1軒チャイムを押して営業を行なっていきます。

まさにドブ板営業そのもので、話を聞いてくれるのは100軒ピンポンを押して1軒から2軒程度です。

そしてその1軒か2軒も契約してくれるかどうかは分かりません。

ほとんどの家がインターホンで断られ、怒鳴られることもしばしばです。

このような古い営業スタイルを今も継続しているのが証券会社のリテール営業です。

訪問販売は今は古い

今や、株式や投資信託などは自宅に居ながらインターネットで買える時代です。

「お金のやりとりは顔を見ながらの取引でないと安心できない」という人はどんどん少なくなっており、むしろ突然取引もない証券会社の営業マンが訪ねてくる方がよほど怪しく思われてしまいます。

このように、証券会社は営業スタイルや販売手法があまりにも時代遅れになっているので、証券会社のリテール営業に将来性がないと言われるのです。

高齢者の顧客に依存している

ほとんどの証券会社のリテール営業は、高齢者の個人顧客に依存しています。

これも証券会社のリテール営業に将来性がないと言われる大きな理由です。

平日昼間に自宅にいるのは高齢者ばかり

リテール営業は平日の昼間の訪問活動がメインになります。

しかし考えてみれば、平日の昼間に自宅に訪問して話を聞いてくれるのは、基本的には仕事をしていない高齢者ばかりです。

顧客を高齢者に依存していたら、高齢者が亡くなった時には顧客がいなくなってしまいます。

60代の高齢者はネットで金融商品を買っている

60代くらいの高齢者も退職すれば平日昼間に自宅にいるかもしれません。

しかし、その下の世代になると「ネット証券から買った方が手数料が低い」ことも「自分で商品を選んで任意の証券会社で購入した方がメリットがある」こともよく理解しています。

そして何より「リスク商品は自分でリスクを認識して希望して購入すべきもの」という価値観が当たり前になっています。

中には、信頼できるIFAと取引をしている人もいるかもしれません。

このような理由から、証券会社のリテール営業がこれまで頼みにしてきた「自宅にいる高齢の富裕層」がどんどん少なくなっているといます。

メインの販売先が少なくなっていることも将来性がないと言われる理由です。

顧客の利益にならない商品の販売

証券会社のリテール営業は、必ずしも顧客の利益にならない商品を販売している側面を否定することはできません。

本部→支店→営業マンという流れで販売する商品のノルマが決まるため、顧客の利益にならない商品を販売している側面があるのです。

ノルマ達成のためには顧客の利益にならない営業も

支店からノルマを課せられた商品を販売するのが証券マンの仕事ですので、もしかしたら不動産市況の見通しが明るくないのに顧客にREIT(不動産投資信託)を勧めなければならないこともあるでしょうし、国内市況が低迷するのを分かっていながら日本株を販売しなければならないこともあります。

個人向け国債の時期には低金利でありながら国債を買ってくれる顧客を探さなければなりません。

このように、ノルマ達成のために「顧客の利益になる商品」ではなく「証券会社が売りたい商品」を販売しているという実態があります。

情報弱者に売っているだけ

そもそも証券会社の営業マンが一番「ネット証券で買った方が安い」ということは分かっています。

つまり、証券会社の営業マンは金融市場などの情報を持っていない情報弱者に対して商品を販売しているのです。

そして情報弱者は高齢者ですので、今後情報を持っていない高齢者がいなくなれば「証券会社から金融商品を購入する人は激減するのではないか」とさえ言われています。

このように、証券会社の営業スタイルは必ずしも顧客の得になりませんし、本当に顧客の利益に叶う販売をしたいのであれば、「そもそも証券会社のリテール営業から買うな」ということに究極的にはなってしまいます。

これも証券会社のリテール営業に将来性がないと言われる大きな理由で、証券会社の営業からIFAに転向する人が多い理由でしょう。

フロー収益に依存した体制

証券会社は金融商品の販売手数料であるフロー収益に依存して収益構造となっています。

この構造も証券会社のリテール営業に将来性がないと言われる大きな理由の1つとなっています。

フロー収益を得るために顧客の財産は小さくなっていく

証券会社の収益には、株や投資信託の売買の際に発生する「フロー収益」と、顧客に資産を預けれもらい信託報酬などを受け取る「ストック収益」に分かれます。

証券会社の多くが「フロー収益」によって利益を得ており、フロー収益を稼ぐために、証券会社のリテール営業は顧客が保有する株式などの金融資産を売却して、他の金融商品に買い換える「回転売買」を行なっています。

確かに証券会社は回転売買の都度、売買手数料が入ってくるので収益を確保することができます。

顧客の高齢化が進む

しかし、前述したように顧客は高齢化しています。

そして、回転売買のたびに損失を出して、資産のパイが小さくなっている顧客も多数存在します。

フロー収益に依存して回転売買をしている限り、顧客リストはいつまでも同じです。

そして年とともに顧客の資産は減少して、パイはどんどん小さくなってしまいます。

この営業スタイルではパイはいずれ無くなってしまうため、証券会社のリテール営業には将来性がないと言われるのです。

まとめ

証券会社のリテール営業は将来性が非常に厳しいと言われています。

顧客は高齢化しており、古い新規開拓の方法では今の時代顧客を獲得することは難しくなっています。

そして、この情報化社会の中、情報弱者相手に顧客の利益に必ずしもならない商品を販売しているという営業スタイルは決して将来性のあるものとは言えないでしょう。

このような理由から、証券会社のリテール営業は将来性がないと言われるのが当たり前のようになっています。

同じ金融商品を売るのであれば、「IFAとして顧客本位で営業ができる方がよい」と独立している人も少なくありません。

出世ができれば高収入が期待できる証券業界ですが、果たして若手社員が出世する10年、20年先にどの程度の数の証券会社の生き残っているかということについて疑問符がつくところでしょう。

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