IFAは収入減少の危機?「楽天証券の手数料ゼロ化」とは

楽天証券始めとして、株式の取引手数料をゼロ円とする証券会社が今増え始めています。

利用者にとってはメリットのある取引手数料ゼロですが、独立したファイナンシャルアドバイザーであるIFAにとっては収入減少の危機にも繋がります。

証券会社の手数料ゼロ化への動きと、IFAの収入減少との関連性について、詳しく解説していきます。

今後のIFAの収入を左右する問題について、しっかりと理解しておきましょう。

楽天証券の手数料ゼロ化とは?

楽天証券は株式の売買手数料ゼロ化を段階的に行なっていく旨を発表しました。

アメリカでは手数料ゼロ化が進む

これは、証券業界全体が手数料ゼロ化の流れにあることと大きく関係しています。

2019年10月にSBIホールディングスは、傘下の証券会社の取引手数料を今後3年でゼロにする構想を打ち出していますし、アメリカでは株式投資の手数料ゼロは当たり前のようになっています。

楽天証券もこのような流れに同調して、2020年元旦に手数料無料化の準備をしていると以下のように発表しました。

米国では株の手数料はゼロになってしまった。この大きな流れは止められない。我々も準備をしている。売上全体の4分の1が手数料だが、これをいきなりゼロにすると赤字になってしまう。代替策を考えながら準備していく

ITmedia ビジネスオンライン

「米国では株の手数料はゼロになってしまった。この大きな流れは止められない。我々も準備をしている。売上全体の4分の1が手数…

今後、数年かけて楽天証券やSBI証券の手数料は段階的に下がっていき、最終的には手数料ゼロになる商品も多数出てくることが予想されます。

ETF・REIT等の信用取引手数料はすでに無料

そもそも、楽天証券はETF・REITの信用取引手数料はすでに無料化されています。

現物取引は有料ですが、今後はこの流れによって無償化の波が広がっていくかもしれません。

また、無償とまでいかなくても今後は手数料が下がっていく可能性は十分に考えられます。

証券会社も価格競争の流れにあるとも言えるでしょう。

楽天証券

楽天証券では、お客様の負担を軽減し、よりお取引しやすい投資環境を整えるため、ETF・REIT等の信用取引手数料を無料化い…

手数料ゼロになった場合のIFAへの影響は?

手数料がゼロまたは低下によってIFAには大きな影響があることが懸念されます。

それはIFAの報酬体系が大きく関係しているからです。

手数料のゼロ化や低下が、なぜIFAの収入減少につながってしまうのか、詳しく見ていきましょう。

IFAの報酬体系

IFAの報酬体系は非常にシンプルです。

契約している証券会社の金融商品を販売すると、その商品に設定された販売手数料のおよそ半分がIFAの報酬になるというものです。

例えば、1億円の投資信託を販売した場合に、その投資信託の販売手数料が2%であれば、手数料200万円の半分である、100万円がIFAの報酬になるといった仕組みです。

証券会社と比較すると、販売した人間に対するインセンティブは間違いなくIFAの方が高くなるので、IFAは商品を売ったら売っただけ、高収入になるのです。

今、個人的に多くの顧客を抱えている証券マンが相次いでIFAとして独立しているのは、このような背景があるからと言われています。

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手数料がゼロになればIFAの収入源が絶たれてしまう

IFAの報酬は、販売する金融商品の手数料に比例します。

そのため、販売する金融商品の手数料が安くなれば同じ金額の金融商品を売ってもIFAの収入が減少してしまいます。

2%だった販売手数料が1%になるのであれば、1億円の金融商品を販売してもIFAの収入は100万円から50万円へと減少します。

これが手数料がゼロであれば、IFAの収入もゼロになってしまいます。

仮に全ての金融商品の手数料がゼロになるようなことがあれば、世の中からIFAという職業は無くなってしまうでしょう。

これが、手数料ゼロ化や低下がIFAの収入低下に繋がる理由です。

IFAが手数料の高い商品ばかり販売するリスク

このように、今後証券会社は手数料をゼロにしたり、手数料を低くしていく流れになることが予想されます。

しかし、手数料の安さばかり追及していくと、IFAの「本当に顧客の利益になる商品を販売する」というメリットが失われてしまう可能性が懸念されています。

顧客本位の販売が難しくなる

IFAは証券会社のように、特定の商品に対するノルマがありません。

そのため、顧客の利益なる商品だけを販売することができます。

証券会社の問題点の1つが、顧客の利益にならないと営業担当者が分かっていても、会社から特定商品の販売ノルマを押しつけられて、顧客の利益にならない商品を販売してしまう点にあると言われていますが、ノルマのないIFAにはこのような心配はありません。

しかし、多くの金融商品の販売手数料がゼロになったり、手数料が安価になるのであれば、IFAは自分の収入確保のために手数料が高い商品ばかり売るようになる懸念があります。

これは、顧客本位ではありません。

せっかくIFAが証券会社に縛られずに顧客の利益を最優先に販売することができるのに、手数料ゼロ化の流れによってこのメリットが失われてしまうかもしれません。

まとめ

このように、証券会社は手数料を引き下げて、最終的にはゼロ化する流れにあります。

IFAにとっては確かに喜ばしい流れとは言えませんが、顧客の中には「手数料を払ってでも自分が信頼するIFAから購入したい」という人も存在するです。

顧客に「手数料を払ってでも君から買った方が儲かる」と信頼してもらうことが大切なのです。

手数料がゼロ化、低下になれば、確かにIFAにとっては儲けにくい環境になる可能性があります。

だからこそ、IFAは他と差別化して「自分じゃなきゃ駄目」という付加価値を生み出すことが重要になるでしょう。

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