IFAは会社に雇用されないため、投資家(顧客)に対して、中立な立場から運用アドバイスが出来るという点が大きな魅力であると考えられています。
他の金融機関と異なり、IFAの場合は提案商品などについて、それぞれが自分で決定するため、”売らなければいけない商品”というものがなく、いわゆるノルマがない仕事として知られています。
近年、IFAの人数も徐々に増加すると共に、単純な完全歩合給だけに限らず、IFAの契約形態の種類は徐々に増えています。
この記事では、多様化するIFAとノルマの関係について、解説していきます。
ノルマとは?証券会社のノルマについて
金融業界や証券会社に限らず、営業の仕事であれば業種関係なく、切っても切れない関係であるのが”ノルマ”です。
ブラック企業の代表格”証券会社”
証券会社は昔からしばしばブラック企業の代表として語られる事が多かった業種ですが、最近ではライフワークバランスを重視する世論を受けて、証券会社も徐々にホワイト化しているようです。
ですが、ノルマが達成出来なければ全員の前で罵倒される事は当たり前で、少し前では上司による暴力行為やパワハラ・セクハラは日常茶飯事であったようです。
ノルマを達成したとしても、翌月にはノルマが増やされる事になるため、基本的には楽をする事が許されません。
Googleで「証券会社」と検索すると、予想変換には「辛い」「ブラック」「辞めたい」などのネガティブワードが並びます。しばしばブラック企業の代表格として語られる証券会社ですが、一方で給料は他業種とは比較にならないほど高く、中小の証券[…]
証券会社は給料は高い
毎月達成しなければならないノルマがキツく、職場環境が厳しい一方で、給料だけは他の会社に比べるとかなり高いという事も事実です。
また、営業の成果がボーナスに反映されるため、やりがいが全くないかと言われるとそうとも言い切れない仕事かと思います。
顧客に損をさせたり、上司に罵倒されたとしても「お金のため」と割り切れる精神力がある人であれば、証券会社は居心地の良い職場なのかも知れません。
IFAのノルマについて
IFAは”Independent Financial Advisor”の略で、この名前を額面通りに受け取るとすれば、独立していて完全に中立であるため、ノルマとは全く無縁なように聞こえますが、実際はどうなのでしょうか。
本当にノルマは無い
やはりIFAは基本的には全くノルマはありません。
提案するタイミングや商品については、それぞれのIFAが各自の判断で決定する事が大原則であり、投資家である顧客からもその中立性が望まれています。
ただし、ノルマが無いからと言って仕事を何もしなければ、給料がゼロという事にもなりますので「今月は何も売らない」という選択肢も選べますが、自分の収入を一時的に削る事になってしまいます。
全く売らない訳にもいかない
手数料が収入に直結するIFAは、いくらノルマが無いからと言っても、流石に一ヶ月間全く何も取引しないという訳には行きません。
高コスト体質な証券会社ほど高い手数料を稼ぐ必要は無いものの、IFAの場合は最低限の生活水準を維持するためには、下まわれないという一定の手数料があるかと思います。
また、IFAが所属する金融商品仲介業者の売上は、IFAの手数料に比例するため、あまりに長期間手数料が発生しないIFAは契約解除を申し出られる場合も。
推奨商品がある場合も
IFAはどこかの金融商品仲介業者に所属した上で仕事をする事になりますが、どこの会社であろうが基本的にはノルマは無い事になります。
しかしながら、一部の金融商品仲介業者においては、会社が推奨する銘柄や商品を定めている会社もあり、それが歩合給とは別のボーナスに反映されるような会社もあるようです。
しかしあくまで”推奨”であって”ノルマ”では無いので、提案するかどうかの判断はそれぞれのIFAに任される事になります。
社員IFA(サラリーマン)はノルマあり
IFAの中には”社員IFA”という厳密に言えば中立とは言い切れない、会社に雇用されているサラリーマンもいます。
サラリーマンは基本ノルマあり
毎月決まった固定給を受け取るという契約のIFAは、単純にその会社で働くサラリーマンです。
そのため社員IFAは、会社から少なくとも毎月受け取る固定給の分について手数料を稼ぐようにノルマ達成を要求される事になります。
ただし、ノルマが悪かというとそうとも言い切れず、社員IFAとして雇用する事によって金融商品仲介業者はリスクを背負う訳になりますので、求められるレベルは様々ですが、ノルマを与えられることは当然の事と言えます。
「固定」+「歩合」のIFA
こういった契約になっているIFAは、固定と歩合のバランスや契約期間などによってはノルマがある可能性があります。
IFAであっても雇用契約を結ぶ事によって、その会社に貢献する義務が発生しますので、会社の方針に従わないという訳には行かなくなります。
なるべく自分のペースで、自由に好きな商品だけを提案したいと考えている人は、一部分であっても固定給を受け取る事は慎重になった方が良いかもしれません。
まとめ
様々な契約によってIFAは働いていますが、IFA最大の強みである”中立性”を担保するためには、出来るだけ”完全歩合給”という契約を選んだ方が良いようです。
しかしながら中には「収入が不安定になる事をどうしても受け入れられない」という人もいるかと思います。
そう言った方は出来るだけ固定給の割合が少なく、歩合給の方が多いような契約を探すことがベストかもしれません。