徐々に金融業界での存在感を強めているIFAですが、金融業界での実務経験をある人をはじめ、それ以外にも様々な経歴を持った人がIFAに転職しています。
証券と同じ金融業界出身者がIFAの人には特に多くなっていますが、では全く関係ない業種からIFAへの転職は”アリ”なのでしょうか。
今回はIFAになる人のバックグラウンドや、未経験でもIFAになって実績を残せるかどうかについて解説していきます。
IFAになる人の経歴
経歴 | 人数(人) | 比率(%) |
---|---|---|
証券会社 | 84 | 42.0 |
保険代理店 | 25 | 12.5 |
税務・会計事務所 | 20 | 10.0 |
生命保険会社 | 15 | 7.5 |
FP | 15 | 7.5 |
銀行 | 7 | 3.5 |
不動産会社 | 7 | 3.5 |
自営・自由業 | 5 | 2.5 |
投資顧問・投資信託業 | 4 | 2.0 |
信金・信用組合等 | 3 | 1.5 |
その他一般事業会社 | 3 | 1.5 |
教育関係者 | 3 | 1.5 |
主婦 | 3 | 1.5 |
その他 | 3 | 1.5 |
(引用元:Quick Money World https://moneyworld.jp/news/03_00013630_news)
こういったデータがありますが、しかし対象となっている人数が少ないため、あくまで参考程度にとどめておいた方が良いでしょう。
しかし実際に、金融機関出身者だけでなくこのような様々な経歴を持った人が現在もIFAとして働いています。
多くのIFAは、前職が証券会社や保険会社などの金融機関であり、IFAとして独立しても仕事内容や顧客はそのままで、雇用形態や給与などの条件だけが変わるケースが主流になっている事がわかります。
金融機関での実務経験がある経験者の強み
何と言っても事前に顧客基盤を持っており、知識もあるというアドバンテージがあります。
証券会社出身IFAの強み
仕事内容と顧客が全く同じであり、独立前から既に顧客基盤を持っている事が最大の武器です。
特に大手証券会社の都心部の支店でリテール営業をすると、担当する顧客数が500人以上である事が珍しくなく、担当する資産規模も100億円以上という事もあります。
証券会社に勤務している段階で、信頼関係が築けている顧客に対して、IFAとして独立する旨を打ち明けておき、独立後の収入をある程度見込んでおく事ができます。
また、証券外務員の資格をそのままIFAになっても使えるので、新たに何か勉強する必要もありません。
IFAになってからも同じ顧客に対して同じ商品を今まで通り売れば良いので、自分がIFAとして独立した後の手数料も高い水準を維持することが出来ます。
実際にIFAの業界においても、契約前に仕事の実力が担保されている証券会社出身者は大手出身でなくても関係なく重宝されます。
保険会社出身のIFAの強み
保険会社時代に担当していた幅広い顧客に対してアプローチが出来る事がメリットです。
IFAは株式や投資信託などの金融商品を取り扱うのが本業ですが、IFAとして独立した後も募集人登録さえすれば、保険を今までどおり販売する事ができます。
そのため、従来の保険の収入に加えてIFAとして株式などを販売した収入もプラスされるので、独立後の収入についてはある程度上がる事が見込まれます。
リスク商品の取扱経験が重要
株式や投資信託を販売しようとすると自然とメインのターゲットは富裕層に絞られる事になります。
IFAが取り扱う金融商品は、そもそも保険会社や保険代理店で一般的に提案される商品とは性質が異なっていて、保険商品よりも高いリスクがあるケースがあります。
そのため、一時的にであっても「顧客に損失を与える」という事を回避しようとするあまり、IFAの中にはなかなか上手に提案できずに辞めてしまう保険会社出身のIFAも多いようです。
未経験者ならではの強みとは?
何と言っても業界の常識にとらわれない、発想の柔軟性が強みになります。
営業経験者はチャレンジすべき
金融の知識がなかったとしても、金融以外の業界において営業経験があるような人であれば、IFAは十分チャレンジ可能な仕事であると思います。
IFAは証券会社が積極的に営業をサポートしてくれる環境が整っており、空いてる時間に不足している知識を補う事もできます。
また、IFAは高単価な仕事でもあるので、営業で成果を出した際のリターンも相当大きく、フルコミッションでありながら在庫を抱えなくて良いという働く側のメリットも大きいです。
IFAに登録するに当たって、証券外務員資格のみを取得すれば良いわけですが、資格の難易度はそこまで高くないため、しっかり準備すれば未経験者でも取得出来るかと思います。
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営業未経験でも大丈夫
営業において全く実績がなく経験がなかったとしても、それが理由でIFAになれないという訳ではありません。
例えば「知り合いに富裕層が多く、信頼関係が築けているので何か投資してくれそう」という事でも、IFAにチャレンジしてみる理由になり得ます。
ただし、金融商品仲介業者によっては事務所のスペースの問題で、ある程度の実力が担保されている方でないと登録を断られるケースもあります。
また、仮にIFAとして外務員登録したとしても、当初から好条件で契約をするというのは難しいと思われますので、最初はあまり報酬率などの条件に拘らず、成果が出た後に交渉する方が現実的です。
まとめ
IFAの業界においては、登録してからすぐに成績を上げる事ができる証券会社出身者が重宝されるのは間違いありません。
しかし実力がある証券出身のIFAは、金融商品仲介業者を新たに設立して独立したりするケースが多く、長期的に考えた時に突然辞めてしまうリスクとも考えられます。
金融商品仲介業者の中には、「IFAを育てていきたい」と考えている会社もあれば、「実力がある人を多く集めてサヤを大きく取りたい」と考えている会社もあります。
業界全体で見ればIFAは明らかな人手不足であり、未経験であるから門前払いという環境ではないので、知識や経験が無い事を深く考えずに、検討してみても良いかと思います。