金融先進国アメリカのIFA事情とは?手数料や働き方・ニーズの違い等について

米国のフィナンシャルアドバイザーは、”コミッション”から”フィー”へ。社員から独立へとシフトしており、IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)の存在感は増しています。

米国のIFAは、医者や弁護士と同等の高い地位があるともいわれています。この記事では、米国IFAの現状や働き方について解説します。

米国におけるIFA

日本におけるIFAは2004年からスタートした新しい仕組みで、認知度がまだ低く、人数も4,000人弱にとどまっています。一方、米国の独立系IFAは12.7万人。個人向けの資産運用サービスでは、社員系アドバイザーと並ぶ主力形態になっており、個人金融資産(7,500兆円)の3分の1をIFAが占めるまでになっています。

米国のIFAには2種類ある

  • 独立投資アドバイザー(Independent Contractor, Investment Adviser)

証券外務員として個別金融商品の売買を扱う

  • RIA(Registered Investment Adviser)

投資顧問業として投資一任勘定等を扱う。

日本の投資助言・代理業は営業保証金500万円ですが、投資判断もできる投資運用業は、最低資本金5,000万。個人や中小企業の参入が困難です。

一方、米国のIRAは資本要件などないので、参入が容易。独立投資アドバイザーとRIAは兼業が可能なので、ハイブリッド(兼業)RIAも多くいます。

日本と米国のIFAの違い−収益構造や運用ニーズ

日本のIFAの基本形態は証券外務員で、投資信託における販売手数料と、預かり資産残高に応じた信託報酬が中心です。投資助言業・投資顧問業登録を行っているのは、一部の法人にとどまっています。

収益構造はアメリカも日本も同じ

米国のIFAも、独立投資アドバイザーは日本のIFA同様、投資信託など個別金融商品の販売手数料や資産残高に応じた信託報酬が中心。

一方、投資顧問業型のRIAは、投資一任勘定の提供にもとづくフィーが収益の中心となっています。

大きく異なる運用に対する考え方

アメリカではIFAが30年前から普及し、資産運用の相談をするのが当たり前になっています。IFAは、金融機関のように数年おきに転勤で担当者が変わるということもないので、長期的なアドバイスが可能です。

アメリカではIFAに相談しながら、ライフプラン(人生設計)に応じて資産運用を行うのが一般的になっているのです。

日米では、金融資産の内訳も大きく変わります。日本人の金融資産の約50%は現預金で、株式や投資信託などの有価証券は15%程度しかありません。

一方、アメリカでは有価証券の比率が50%を超えています。

そして、アメリカ人は信頼できるIFAをパートナーに、労働収入と資産運用で金融資産を増やしています。

ただし、やみくもに有価証券の比率を上げてリスクを取っているのではなく、IFAに相談しながらライフプラインに合わせた長期の運用を行っているのです。

一方、日本では信頼できる相談相手がおらず、短期で場当たり的な投資を行っている人が多くいます。そのため、長期で見ると資産運用を失敗している人が多くなっているのです。

日本でも、長期的な目線に立った資産運用の相談ができるIFAが、今後必要になってくるでしょう。

米国IFAの平均像とは?

それでは、米国IFAの収入や仕事内容について見ていきましょう。

1.収入の内訳

米国IFAの収入の内訳は以下の通りです。

出典:WealthManegement.com

  • 56% Asset-based fees(資産残高フィー)
  • 37% Commissions(手数料)
  • 6%   Salary(給与)

IFAの収入としてもっとも多いのが資産残高フィーで、半分以上を占めています。2位は手数料。アメリカではハイブリッドRIA(兼業IRA)が多く、相談料も含めたフィー収入が多いことがわかります。

出典:WealthManegement.com

IFAの平均年齢は52歳。資産運用では専門知識が必要になることと、社員系FAからの移行が多いので、全体的に平均年齢は高い傾向にあります。

独立系アドバイザー1人あたりの預かり資産は77百万ドル(約80億円)、顧客数は356人となっています。

これだけの預かり資産があるので、IFA1人当たりの年間グロス(手数料+フィー)収入は56万ドル(約5,800万円)にもなっています。

米国IFAは手数料ではなくフィーがメイン

日本国内では販売手数料がほとんどですが、米国ではフィー収入が大きく上回っています。

フィーは預かり資産に応じた信託報酬と相談料から成り立っています。

手数料がメインになると、手数料稼ぎの短期的な売買がインセンティブになってしまう可能性があります。フィービジネスなら長期的な視野にもとづいて、資産をコツコツと増やしていくことが可能です。

長期的な関係を築けるので、顧客とより強い信頼関係が結ばれるのです。

まとめ

今回は米国IFAの現状について解説しました。米国ではIFAが増えており、社員系アドバイザーと並ぶ主力形態となっています。収入は投資信託の預かりの信託報酬や相談料などのフィーがメインです。国内のIFAは手数料がメインなので、これは大きな違いといえます。

フィービジネスなら預かり資産増加がインセンティブになるので、顧客と長期で良好な関係を築くことが可能です。

金融大国アメリカと同じような金融資産や収入を目指すのは難しいでしょうが、日本のIFAも米国を参考にフィービジネスに積極的に取り組むべきではないでしょうか。

最新情報をチェックしよう!