日本においてはまだまだ人数が少ないIFAですが、今後アメリカや欧州などの金融先進国と同じように、IFAが金融業界において間違いなく存在感を増すことになるでしょう。
IFAと一言で言っても、フリーランスとして雇用されずに働く人が多いので、IFAも人によって様々な性格や考え方をしています。
「お金の相談をする先として信頼できるIFAとはどんな人なのか?」あるいは「IFAを知識や経験からだけでなく、性格面などから選ぶというのはアリなのか?」
投資家が相談するに当たって、付き合うIFAの選び方について紹介していきます。
IFAの知識量・得意分野を知る
IFAは”Independent Financial Advisor”の略語です。
この名前の通り、独立系ファイナンシャルアドバイザーですので、中立的な立場から資産運用のアドバイスを行う専門家を指します。
そのためIFAのアドバイス可能な範囲は投資だけに限らず、相続や保険、不動産といった広い範囲の相談ができる場合もあります。
提携している金融機関がIFAによって異なるため、IFAの投資スタンスや考え方によって得意分野がそれぞれ違いますから、例えば「国内株式が専門」「株も扱うけど、基本は保険だけ」のように様々なので、相談先を間違えないようにしないといけません。
IFAは証券会社出身者が多い
およそ半数のIFAは元々証券会社で営業をしていたという経歴なので、基本的には「株式」や「投資信託」の知識が豊富であるIFAが多いです。
そのため、相談の目的が「株式や投資信託といったリスク資産を中心に、資金を増やしていきたい」という内容であれば、そういった証券会社出身のIFAに相談する事がベストでしょう。
しかしながら「リスクはなるべく低く抑えて、長期で積立投資をしたい」という目的の場合は、証券会社出身のIFAよりも保険会社出身のIFAの方が良いでしょう。
避けた方が良いIFA
こう言った特徴があるIFAや業者はやめておいた方が良いでしょう。
決断を急かすIFA
証券会社や銀行の営業員がまさにこれに該当します。
サラリーマンである営業員は、稼がなければいけない手数料が支店ごとに決められており、そのノルマを達成できなければ毎日上司に激しく叱責されるので、顧客に対しても決断を急がせる傾向があります。
IFAは本来、”独立系ファイナンシャルアドバイザー”という中立な存在なので、顧客がすぐに提案した商品を買おうが、あるいは来月買ったとしても、IFAからすればどちらでも良いはずです。
商品の締切などがある場合は別ですが、今後数十年単位で長期の付き合いを考えるに当たって、顧客に対して急かすようなスタンスのIFAは、とても顧客本位であるとは言い難いです。
社員IFAは会社次第
日本においてIFAが広がり始めた当初は、完全歩合の独立系ファイナンシャルアドバイザーがほとんどでしたが、最近ではいわゆる”社員IFA”と呼ばれる、仲介業者のサラリーマンもIFAと名乗るようになってきました。
IFAと名乗りながらも、一方で会社に雇用されているので当然会社が推進する商品を提案する事になります。
つまり相談する際に気にするのは、その社員IFAの人柄や経験というよりは、所属している仲介業者がどう言った会社であるかという事の方が重要になります。
ですが一般的には、証券会社と同じようにノルマが課されている事も多いと思いますので、お金の相談をする先としてはあまりオススメ出来ません。
仕事ができるIFAって?
上記に書いたものと全く逆のことができる人です。
お客様を理解し何も求めているのかを見極めて提案するということです。
また提案だけではなく、アドバイスも必要ですのでお客様が持っている資産がどのようなもので、今後どうしていけばいいのか、どうするべきなのかを的確にアドバイスしなければなりません。
ただ金融商品ですので、絶対的なアドバイスはできませんし、先のことは誰にもわかりませんからお客様へアドバイスしたことが、結果的にダメだったりする場合もあります。
そこでお客様との信頼関係があるからこそ成り立っていくのではないかと思います。
本当にお客様の立場で考えられているのかはお客様が判断しますから、結果はあとでついてきます。
数字のためだけではなく、本来のIFAの任務を全うにこなしていれば仕事ができるIFAになれるのではないかと思います。
仕事ができるIFAがやっていること
商品を提案するだけが仕事ではありません。
信頼関係を作るためにお客様を知ろうとすることが大切だと思います。
お客様の家族構成、趣味、経歴はもちろん普段からお客様の話を聞いてその話からお客様を知る。
まずはここからです。信頼関係ができればお客様も変わってきます。
実際IFAになってから、お客様が他の金融機関から資金を動かしてくれたり、相続したらお願いしますと言ってくれることが多くなりました。
証券会社で働いている時、「もう資金はないよ。」「相続しても運用しないからね。」というような返答だったのに、IFAになった途端、お客様のほうから話してくださることが増えました。
実際お客様からいただいたお言葉があります。
「証券会社はなんでもかんでも提案してくる、こっちの意向なんて関係ない。」
「買ったらほったらかし、気づいたら下がってる。」
「上がったら売却してお金を置いておきたいのに売らせてくれない。」
「いい担当者だと思っても転勤するから任せられない。」
本当にお客様の生の声が一番ではないかと思います。
お客様がIFAの仕事を理解していることが前提ですが、最終的にはお客様から信頼されて任せられる人、これこそが仕事ができるIFAではないかと思います。
そうすればおのずとお客様は横に広がっていきます。