社員IFAは実質サラリーマン?ノルマは?給与や待遇など

SBI証券や楽天証券、エース証券を中心としたIFAビジネスを展開する証券会社は、金融商品仲介業者との提携を進めており、それに伴ってIFAの人数は増加しています。

IFAは、雇用契約がなく完全歩合給であるために、自分の顧客に対して中立なアドバイスが出来るという利点があります。

しかし最近では「社員IFA」と呼ばれる、会社と雇用関係を結んだ上でアドバイスをするIFAも増えてきています。

従来のIFAと社員IFAについて、仕事内容や待遇面などを比較しながら解説していきたいと思います。

そもそも社員IFAとは?

IFAとは”Independent Financial Advisor”の略であり、日本語に直すと「独立ファイナンシャルアドバイザー」というような意味になります。

社員IFAは正社員

「社員+IFA」という、真逆の言葉同士の組み合わせなので、一見すると意味がわかりませんが、実際には、「固定給+インセンティブ」のような給与体制で働く正社員の事を指しています。

つまり、本質的にはIFAとは全く違う職種であり、個人事業主として働くIFAとは、働き方や条件などについても大きく異なってきます。

SBIグループでも社員IFAを募集

社員IFAの募集をしているのは、SBIマネープラザ(SBIグループ100%子会社)という会社です。

募集要項に記載されている情報は以下の通りです。

勤務地東京都, 青森県, 岩手県, 宮城県, 秋田県, 山形県, 福島県, 茨城県, 栃木県, 群馬県, 埼玉県, 千葉県, 神奈川県, 新潟県, 富山県, 石川県, 福井県, 山梨県, 長野県, 岐阜県, 静岡県, 愛知県, 三重県, 滋賀県, 京都府, 大阪府, 兵庫県, 奈良県, 和歌山県, 鳥取県, 島根県, 岡山県, 広島県, 山口県, 徳島県, 香川県, 愛媛県, 高知県, 福岡県, 佐賀県, 長崎県, 熊本県, 大分県, 宮崎県, 鹿児島県, 沖縄県
港区六本木 東京本社
名古屋支店
大阪支店
全国の在宅勤務
勤務時間8:30 ~ 17:15(休憩60分)実働7時間45分
待遇健康保険(東証健保組合)、厚生年金保険雇用保険、労災保険

通勤交通費支給、社会保険完備、各種諸手当、資格取得奨励制度、産休・育児休暇制度ほか

休日
休暇
完全週休2日制、祝日・年末年始休(12/31-1/3)、年間休日120日以上
年次有給休暇(初年度10日)、慶弔休暇、 特別休暇(3日間)など

勤務地は、SBIマネープラザがある各都市となっており、希望に近い支店で働く事になるでしょう。

社会保険や福利厚生なども完備されており、また勤務時間なども指定されているため、雇用関係がある完全な正社員としての採用です。

本来のIFAは出社時間や勤務場所、休日などについて、制限は特にありません。

これを見る限り、普通の正社員と大差ないような生活を送ると考えるべきでしょう。

給与体系について

日々の生活は、普通のサラリーマンと同じようなものになる一方、給与体系については若干特殊になっています。

先ほどの募集要項を確認すると、以下のようになっています。

【年収・給与】420万円~3000万円
固定給制 月給35万円以上(3年以降は25万円以上)+成果給

≪成果給≫
売上実績に応じて、販売手数料の10~40%
信託報酬の30~50% など

固定給

最初の1〜2年については、35万円となっており、3年目からは25万円と下げられるようです。

賞与について記載がない事から、年俸制のような決め方であると推測され、仮にそうだとすると賞与はこれに含まれるという事になります。

つまりここに記載の通り、年収では420万円(35万円×12ヶ月)が最低ラインとなっています。

歩合給

歩合給については「売上実績に応じて」としている求人が多く、明確な報酬率は会社によって大きく異なっていると思います。

社員IFAの場合、雇用することによって発生する経費やリスクを考慮しなければならないため、販売手数料の10〜40%と、完全歩合給のIFAと比べると少なくなっています。

社員IFAになるメリット

IFAとして独立する場合と異なり、SBIグループの様々なバックアップを受けれる事がメリットです。

固定給が保障される

社員IFAの最大のメリットは、何と言っても固定給が保障される点です。

通常IFAとして独立する際、証券会社による研修から始まって、その後営業に行って口座開設などをするため、収益が発生するまでの2〜3ヶ月程度は無給で働くことになります。

家族がいる場合や若い世代で貯蓄がそこまで無いケースでは、独立初期の不安定な時期を乗り越えるのに苦労するため、仮にここで毎月35万円固定給があれば、生活面では相当助かります。

数年経った後も、通常であれば相場状況によって手数料が大きく左右されますが、最低限の給与が保障されていますので、経済的に困窮するような事にはならないでしょう。

さらに成績を上げれば上げただけ、”成果給”として反映されますので、通常のIFAとして独立するのと比較すると、家族の同意も得やすいでしょう。

事務負担が軽減される

意外かもしれませんが、IFAとして独立すると、証券会社の営業員よりも仕事以外の事務作業が多くなります。

ケースバイケースですが、金融商品仲介業者には、いわゆる”総務課”のような部署が無いという会社もあるため、場合によっては、IFA自身が行う事務作業が多いというケースもあります。

それだけでなく、営業経費の入力や確定申告、納税などの個人事業主としての事務作業なども行う必要があるため、事務作業のために多くの時間を割いています。

社員IFAであれば、こういった事務作業の多くを省く事ができるため、営業やプライベートのためにその時間を割り当てる事ができます。

社員IFAになるデメリット

通常のIFAと違い、どれだけ手数料を稼げなかったとしても、正社員として固定給を貰うことが出来るという大きなメリットがある反面、当然それに伴うデメリットもあります。

正社員としての義務

固定給を貰う以上、社員として社内規定や上司の意向に従う義務があります。

毎朝会社に行くことは当然として、スーツ着用義務や、電話対応などについても求められる事が考えられます。

つまり、本来のIFAが意味する独立とは程遠い労働環境であり、時間の自由が効かない働き方となる可能性が高いです。

証券会社でリテール営業として働く人からすれば、このあたりの条件についてはあまり抵抗は無いかも知れませんが、生活自体や仕事内容はそこまで大きく変わらないと考えて良いかと思います。

ノルマ(目標)

給与体系が「固定給+インセンティブ」となっているので、一見するとノルマが無いようにも見えますが、正社員になる以上、全く無いとは言い切れません。

インセンティブの部分に関してはともかく、少なくとも固定給の部分に関しては、会社のために働く事が求められます。

社員IFAになると、生活が保証される対価として”好きではない商品”と上手に付き合っていく必要があるでしょう。

ただしこれは社員IFAに限らず、他の証券会社や金融機関も同じです。

提案商品が限定される可能性も

IFAは通常、数ある金融機関や金融商品の中から、その顧客のニーズに沿ったものを提案するアドバイザーとして仕事をします。

顧客ニーズに応じて、ケースバイケースで様々な提案をする事ができるのがIFAの魅力でもあります。

しかし正社員となって固定給を貰う以上、会社の利益と相反する行為をする事はNGとなるため、当然ではありますが、商品によっては提案が禁止されるものもあるかも知れません。

まとめ

社員IFAの固定給は魅力的ではありますが、他の大手証券会社で働けば固定給はもっと高いですし、顧客の資産も多く質も高いです。

「固定給を貰う=主従関係が発生する」というのは当然であり、「社員IFA」は独立とは程遠く、ほとんど「転職」と同じようなものと捉えておくべきです。

今後ルールなどが変更される場合もあると思いますが、現状では社員IFAにも魅力はありますが、通常のIFAとして独立する方が、デメリットを踏まえても、中立な立場でのアドバイスが出来る可能性が高そうです。

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