証券会社を辞めようと思った5つの理由

24時間365日世界中で動き続ける経済を一番感じることのできる業種、それは「証券会社」です。

証券会社の仕事は、日々経済動向を読み取り投資家の資産運用へのアドバイスをするほか、国や自治体、事業会社の資金調達を助けるなど、「直接金融」において重要な役割を担っている仕事です。

私は過去、証券会社でリテール営業をしていましたが、現在は辞めて別の仕事をしています。

今回はなぜ私が証券会社を辞めたかについて5つのポイントに絞り、理由をまとめていきます。

会社としての将来性に疑問をもったため

まず辞めようと思った理由として、「会社の将来性」に疑問をもったためです。意外と知られていないかもしれませんが、証券会社のビジネスは非常に利益率の高いビジネスであります。

手数料の源泉となる「商品」は市場に流通している株式や新規発行される投資信託や債券など、形のない無形なものを扱います。

そのため原価は「ほぼゼロ」です。従って非常に利益率が高くなるため、必然的に証券会社の従業員の年収は高くなります。

しかし近年はネット証券の台頭もあり、対面証券各社は激しい手数料競争のあおりから、取引量の低下(売上高の減少)と手数料率の悪化(利益の減少)につながっています。

特に対面証券の場合では、取引年齢層全体の7割~8割程が60代以上と言われています。

今後既存ビジネスでは稼いでいけないという「将来性」への不安が退職を意識した理由の一つです。

自分に対する評価方法に疑問をもったため

証券会社における個人の評価ですが、良くも悪くも「実績となる数字」で評価されます。

そしてこの数字による評価はエリアや職種によって変わるものの、基本全員が横並びで評価されます。

ともなれば、必然的に地方の小規模な支店よりも、都心にある大型の支部店の方が取引量も大きくなる傾向があるため、実績が上がりやすくなります。

会社の中で評価されるためには、いかに都心で大口の顧客を持つかが鍵となるため、やや出来レースとなるといえます。

数字としての横評価は明瞭である一方、自分自身の顧客層で努力した数字に対して顧客層が厚いセールスマンの実績を一律評価してしまう点に疑問を感じました。

結果不公平な評価をされていると感じ、より明瞭な評価を受けられる職に転職しようと考えました。

自分自身ではどうしようもないことが多いと感じたため

証券マンは非常にタフな仕事であるといわれることがありますが、私が思うに一番大変なのが「相場は自分で動かせない」という点です。

製造業のように製品を売るのではなく、日々動く株式や投資信託を顧客に提案していくわけですので、顧客に提案をしている最中にも値段が上下しています。

当然、自分の持てる知識を最大限活用し、銘柄などについて調べた上で提案はしますが、要人の発言や粉飾決算などについては、自分自身ではどうにもできず、「上がるか下がる」かの一種の賭けの様相がどうしても出てしまいます。

顧客もセールスの提案を信頼した上で商品を購入していますので、値下がりしてしまっては気分を害しても致し方ありません。

「お金の切れ目は縁の切れ目」という言葉があるように、顧客との関係性が「自分ではどうしようもできない」ことが多くなった点も退職の理由につながっています。

自分の子や親に誇れる仕事ではないと感じたため

証券会社では、自身の実績を上げることであればなんでもしてもいいという風土がどこかあり、同じ商品であれば「手数料の高い」商品を選ぶ傾向が多いです。

実はこの手数料が高い商品は、中身を見ると結構複雑なものであることが多く、証券マンの中には商品性を説明できずに商品を提案している営業員までもいます。

冷静に自身を振り返ったとき、「この商品を自分の親や親族、友人に自信をもって薦められるか」と自問自答をしました。

数字を求めれば求める程、複雑な商品を販売し手数料を稼ぎたくなるし、一方で顧客のためを思い手数料の低い商品を販売すれば成績も上がらず、会社の上席からは指摘を受けてしまいます。

このようなジレンマを抱えた際に「人に誇れる仕事ではないな」と感じてしまいました。

顧客の気持ちに寄り添えないと感じたため

対面証券会社では、現在も一部の社員を除き全国転勤が3~5年周期で行われています。

これは顧客との癒着の関係や、キャリアアップのための異動という風に捉えるのが一般的ですが、あくまでも「社内事情」でしかありません。

顧客としては信頼していた証券マンがいなくなるため、「身勝手な担当者交代」をされたと思われることが多くあります。

担当者としても折角築いた顧客との関係を急に絶たなければならないことになり、顧客の資産管理を中途半端で投げ出すことになりますので、非常に心苦しい気持ちになります。

実際、人事異動が起きた後に取引する証券会社を変える顧客は一定数はいるため、私は「本当に顧客へ寄り添った仕事ができるのか」と考えさせられ、今後このような思いをしたくないと考え退職を決断しました。

まとめ

証券会社の仕事は非常にやりがいがありますし、特に新卒で入社したのであれば、即座に企業の社長や医者など、学生では巡り合うことが少ない富裕層と対等にやり取りをすることになります。

顧客対応などのビジネススキルは、同世代の社会人と比べてもレベルが高くなる傾向があります。

一方で、これまでのビジネスモデルでは稼げなくなっていることは事実で、目まぐるしく体制を入れ替えている現状もあります。

私は顧客にとって必要とされる人でありたいと考え、実現するべく転職を決意しました。

退職の理由について参考にして頂けると幸いです。

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