証券会社の将来とは?野村證券の赤字転落でわかったこと

これまで長い間、証券会社のメインの収益源は株式売買の手数料(委託手数料)であったわけですが、ここに来てその収益源が失われつつあるようです。

大手証券会社をはじめとする対面営業がメインの証券会社は、営業手法の大きな転換を迫られているかもしれません。

国内トップ野村證券がついに赤字に転落

国内証券最大手の野村ホールディングス(HD)は25日、前期(2019年3月期)の純損益が1004億円の赤字に転落したと発表した。前の期は2193億円の黒字だった。この結果を踏まえ、野村HDや傘下の野村証券の取締役、執行役に執行役員を加えた計約60人を対象に、業績に連動する役員賞与をゼロにすることも明らかにした。(中略)
米リーマン・ブラザーズなど海外企業の「のれん」巨額減損に加え、債券トレーディングや投信販売も不調だったことが響いた。野村HDが通期で純損失を計上するのはリーマン危機があった09年3月期以来10年ぶり。

前期の主な収益:
  • 収益合計は前の期比25%減の1兆1168億円
    • 委託・投信募集手数料は同22%減の2931億円
    • 投資銀行業務手数料は同0.1%減の1015億円
    • アセットマネジメント業務手数料は同横ばいの2455億円
    • トレーディング損益は同23%減の3430億円

19年1-3月期の純損益は前年同期比96%減の8億4400万円の黒字だった。四半期ベースでは3四半期ぶりに黒字転換した。営業部門の税引き前損益は前年同期比85%減33億円。資産流入を受けて運用資産残高が拡大したアセット・マネジメント部門は同28%増の144億円だった。一方、ホールセール部門は130億円の赤字(前年同期は442億円の黒字)。リストラ費用として84億円を計上したことなどが響いた。

引用元:ブルームバーグ

トレーディング損益が大幅減少となっているのは、相場の影響なので注目しても仕方ない部分ですが、「委託・投信募集手数料」前期比22%も減少しているところが重要です。

減損処理などがあったにせよ、リーマンショック以来の最悪な決算内容だったと捉えられていて、営業部門の不振も大きな要因だとされています。

顧客との情報格差

国内株式売買の手数料は、長い間片道1%くらいが相場でした。

1999年に証券手数料が自由化され、SBI証券などのネット証券の台頭もあり、徐々にこの片道1%という手数料が割高と指摘されることが増えてきました。

大手証券会社でも、インターネットコースなどを新たに設定して、ある程度の成果は挙げてきましたが、こうなると当然ですが、今度は証券マンにしわ寄せが来ます。

顧客は、片道1%の手数料の見返りとして、コンサルティングという名の激しい営業を受けることが出来るわけですが、このAI全盛期と言われる時代に、それに見合う情報提供が全員できるかと言われると、微妙な気もしますし、顧客としても高いと考える人が確実に増えてきています。

リテール営業の場合、インターネットが使えない人がメインの顧客層で、60台後半〜70台前半あたりの顧客が主力でした。

手数料や募集物の目標は、こういった主力顧客にセールスして、何とかやりくりすれば良かったのですが、先の野村證券の決算を見ればわかるように、証券マンを取り巻く状況はここ数年で変わってきています。

次々に登場する謎ルール

金融庁やSECの指導による影響ですが、高齢者取引を規制する流れが加速しています。

会社によってルールは異なりますが、これまで高齢者は80才とか85才以上と一律で区切って来ました。

それが、ここ数年でなぜか75才や70才など、無意味に引き下げられ、女性や一人暮らしかどうかなど、挙げ句の果てには上司と面談が必須になったり、かなり厳しいルールが追加されています。

これ以外には「年齢関係なく1ヶ月間に何回売買したら取引禁止」など、顧客に知られたら逆にクレームになりそうな謎ルールも登場しているようです。

おそらく、中小の地場証券などは、まだここまで厳しくはないでしょうが、証券業界全体の流れとして、顧客の範囲を狭めていこうとしているのは間違いありません。

そもそも目標達成が無理な注文

実際数字に出てしまっているので、改めて言う必要もないかも知れませんが、行政指導にビビり倒して会社独自のルールを追加しまくって、顧客の範囲を限定しているというのが業界全体の流れです。

今後、高齢者取引はますます厳しくなるのが予想されますが、そうなると若年層の富裕層顧客で目標を達成する必要があります。

果たして、若年層の富裕層顧客のなかに、片道1%払ってトヨタの株を買ってくれる人が何人いるんでしょうか。

会社としては、何としても稼ぎ頭であるはずのリテールに目標を課して、圧力をかけて達成させようとするでしょうが、時代の流れに加えて、そもそも次々登場するルールが証券マンに不利すぎて、これは冷静に考えれば無理な注文です。

目標が達成できないのは、自分に営業力がないからだと思い込んで鬱になってしまう証券マンもいますが、必ずしもそうとは限りませんし、もしそうだとしても急にどうこう出来る問題でもないので、上司に何か言われても真剣に受け止めなくても良いと思います。笑

まとめ

色々書いてきましたが、こういった環境の変化があるので、証券の営業は昔ながらの方法が通用しなくなってきています。

そして、お客さんも徐々にインターネットを使える人が増えてきていますし、証券マンとの情報格差も確実になくなってきています。

このサイトでは、いろいろと工夫出来る方法を紹介しますが、間違いなく個人単位で変化球の営業も実践していかないと、生き残れないような環境になっていきますので、時間があるときに色々とチェックしてみて下さい。

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